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zoom RSS 昔の話・中編

<<   作成日時 : 2004/10/22 20:33   >>

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前編から続き。

前回までのあらすじ
自宅のトイレに監禁されたAさんは、脱出に必死の努力を行うものの、すべて無駄に終わる。
GMコールも未実装、便秘になりそうなストレスを受けて、Aさんの未来はどうなるのか。
「帰還バグです。GMwisplzzzzzz」


++++

 午前9時。
 社会の多くの人々が仕事を始める時間だ。
 Aさんの会社でも、社員が忙しく活気のある空気の中、それぞれの仕事に手をつけていた。
「ん?Aは今日、直行か?」
 Aさんの姿が見えないのを受けて、課長が言った。
「いえ。今朝は出社の予定ですが」
 Bさんが答える。BさんはAさんの数年後輩の女性で、営業をやっている。やや天然な性格ながらまずまずの成績を上げて、社内での評判も良い人だ。
「そうか……。休みや遅刻の連絡は?」
「ありません」
 他の社員も首を振る。
「交通機関の事故でもあったかな」
「彼、チャリ通勤ですよ」
「じゃ交通事故か?」
 わいわいと皆が言い始めた。Aさんは比較的真面目な性格で通っているため、無断欠勤を疑う意見は出なかった。
「B、ちょっとAに電話してみてくれ」
「はい」
 Bさんは受話器を取り上げた。携帯電話が今ほど普及していない時代のお話である。電話といえば、自宅に掛けるしかない。Bさんは社員名簿を引っ張り出し、Aさんの自宅の欄を見つけて数字をプッシュした。


 Aさんは絶望の淵にいた。
 付けっぱなしのテレビは朝のニュースが終わり、「健康エクササイズ」が始まった。
「ハイ、足を高く上げてぇ〜イチニ、イチニ!」
 インストラクターの場違いなほど明るい声と、爽やかな音楽がさらに絶望をかきたててくれる。
 Aさんは便座の上に座ったまま、頭を抱えていた。
 と。
 トゥルルルルル……と、電話が鳴り始めた。
 Aさんは思わず顔を上げた。立ち上がる。もう何度も試した、開かないドアをもう一度叩く。
「俺はここだ!助けてくれ!誰か気付いてくれ……!」
 電話という外部からの接触に、一度は真っ黒になった心が再び、少しだけ力を取り戻した。Aさんは渾身の力を込めてドアを叩き続けた。握り締めた両手に痛みが走るのも気にせずに。電話のコールが鳴り響く。5回、6回、7回、8回……。
 10回目のコールの後、電話は沈黙し、辺りに静寂が戻った。
「ああああぁぁぁああああ…………」
 Aさんは絶望の呻きと共に便器に崩れ落ちた。


++++

しつこく続く昔の話。
細部の脚色はしても、基本的に実話です。しかも間接的な知り合いです。
次回、後編で大どんでん返し……、はありえないですが、てきとうに終幕にしたいと思います。

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昔の話・完結編
中編より続く。 ...続きを見る
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2004/12/09 20:12

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内 容 ニックネーム/日時
うぅまだ続くのかぁぁぁ、早く寝たいよ・・・
たまご
2004/10/23 19:14

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